江戸東京博物館は、光路郎さんが以前いった事があるというので、案内はお任せする事にする。
道すがら熊子さんに東京にきた時の様子をきいてみると
一日で東京に入り
一日で部屋を決め
高知に日帰り
翌日疲れもみせず仕事に向かい
東京にきて早速バイトを探し
朝の10時から夜の10時まで
往復2時間かけて週5日通勤
合間を縫って上野美術館など、色々遊びにもいってるらしい。
なんというバイタリティ。
身体大丈夫ですか?
ときくと今はまだ観光旅行気分だから平気、という答え。
仕事から帰ってヘロヘロになって、横になったとたん爆睡の自分とは大違いだ。
博物館では「ロシア皇帝の至宝展」を催していたが、
そこまで見る時間はないということで常設展のみチケット購入。
光路郎さんは、さすがに時代劇小説書いてるだけあって、江戸文化に非常に詳しい。
館内に展示されてる物をマニアックに解説しながら歩いていく。
(あまりにコアな内容なので、私の記憶力では解説を再現できませんでした)
うーーむ。しかし、こうして女性と行動してると、やっぱ自分とは根本的な違いを感じるなあ。
男同士の場合
「じゃ、おれ、こっちみてるから。あとでな」
「おう」
てノリも珍しくないんだけど、女性は違うらしい。
私の「フィーリング」は完全にそうというわけじゃないが
どちらかといえば男性側に近いようだ。
どうしても同じようなリズムで行動できなくて;
途中から一人でふらふら歩き回っててスイマセンでした。
奥に進むと明治維新・大正昭和初期にかけてのコーナーになる。
竹久夢二や、当時のファッションの絵の前で思わずたちどまる。
実をいうと私は江戸よりもこちらの方が好みだったりする。
と、熊子さんもほぼ同じ足取りで後に続いていた。
何気なくきいてみる。
「熊子さんはどの時代が好きなんですか」
「うーーん。大正から昭和初期にかけて・・・かな」
お。同じではないか。
「私もその時代が一番好みなんですよ。短いけどとても美しい時代ですよね。
三輪明宏さんもその時代が好きなんですって」
「でもね、実は私、夢二よりは高畠華宵の方が好きなんですよ」
これまたお仲間発見。
「私もですよ。あの色気がいいんですよね」
「でも、日本人だと夢二のほうが人気あるんですね」
「日本人は、清純な絵の方が好きだからじゃないかしら。
油絵でもルノアールみたいな印象派が人気ですし」
「華宵の描く服はすごいお洒落ですね」
「うん。ああいう服を不二子ちゃんに着せたいよなあ。
ストーンとした服は胸があるから似合わなさそうだけど」
「それならウエストでぎゅっと絞ったこっちのような服にすれば」
「・・・ちょっとメイドっぽいですね。
・・・・なんで熊子さんってメイドに惹かれるんですか」
「大正時代のレトロなメイド服観て『お洒落』と思ったのが、私のメイド萌えの始まりなんです」
意外なとこで熊子さんのメイド萌えのルーツが聞けた。
その後丸尾末広や横尾忠則など、大正・昭和初期を思わせる画家の話で盛り上がる。
「ルパン」以外でも話せる共通の話題があるというのは話題の幅が広がっていいやね。
3時間も回ると腹が減ってきたので外に出て食事することにする。