Lupin Event

 
ルパン三世シークレットナイト2006
5月20日(土)東京都池袋 新文芸坐
 
 
 
この日の上映作品と順番
 
 
 
 
 
1.ルパン三世カリオストロの城
 
2.パイロットフィルム(2本立て)
 
3.さらば愛しきルパンよ
 
4.タイムマシンに気をつけろ!
 
5.ロシアより愛をこめて
 
6.ターゲットは555M
 
7.ツタンカーメン三千年の呪い
 
8.必殺鉄トカゲ見参
 
 
 
 
 
今回はルパンのOPとED全部ついてました。
 
ということは、13日のモンキーさんのトークショーでそれが幾つかカットされてたのは、
 
時間が押してたことによる「時間短縮」の為だったのかしら。
 
今回のプチ感想は、3人の感想交えながら進めます。
 
 
 
ルパン三世 カリオストロの城
 
 
 
「長編ってのはなあ、こうやって作るもんだぜ!」
 
 
 
という見本の様な作品。プロットの組み立て方、演出の妙を知りつくしてる。
 
宮崎さんが色んな作品からネタを卸してこの作品にしてるのは知ってるけど、
 
判った上でも楽しめるのが逆に凄い。
 
納谷さんの「どおしよう」は何度聴いても味がある。名演です(*^_^*)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
yusinさん
 
「うわああ、面白かったあ!!映画館で見ると全然違う。来て良かった!」
 
 
 
コルト
「私、齢をとったなあ・・・と思ったのはね、昔見た時はクラリス側に立ってみてたの。
 
それが今ではルパンの方に感情移入してしまう。クラリスが自分の子供にしかみえない。
 
だめだ。もう、クラリスに感情移入出来ない;」
 
 
 
たいやきさん
 
「私もはじめてカリ城見た時、クラリスと同じ位の齢でしたよ」
 
 
 
コルト
 
「え。じゃあ、私たち同じ位の齢かもしれませんね♪」
 
 
 
たいやきさん
 
「・・・・私、テレビで観たんです・・・」
 
 
 
 
 
 
 
 
もしかして、今、私自分の齢暴露した!?;
 
 
 
 
 
 
 
コルト
 
「昔は『こんな女なんかいるわけないだろ』という反発する気持ちと
 
『面白い』という気持ちがぶつかり合って複雑だったんですよ。
 
だけど今見ると非常に素直に観れるというか・・・その・・・こういう娘もいるかもしれん・・・
 
いや、自分の娘だったらいいかもと(心底、親父になってます;)」
 
 
 
 
 
 
 
大画面になると、細部にまで描き込まれた宮崎さんの絵がはっきり観られるのがいい。
 
冒頭、ゴエがフィアットに乗ってるのがちゃんと判る、とか
 
モブシーンの隅にいたあれはパンコパのミヨちゃんだったような気がするとか。
 
 
 
 
人がごちゃごちゃ塊になって動きまくるのも大迫力で実に楽しい。
 
キャラの表情も豊かで口パクが大きくて、これだとアテレコする時もやりやすそう。
 
 
 
 
 
昨今のアニメは動画を少なくする傾向にあるようで
 
(どうしてそれで「アニメ」なんだ?)
 
顔はそのままに、動いてるのは口だけという絵が非常に多い。
 
その口パク動画さえ少なくする為に、口のショットを入れない、意図的に後姿や俯瞰の絵にすることも多いそうだ。
 
一枚の「絵」としては綺麗なのだが・・・それなら普通に「イラスト」でいいような気も。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ただし、カリ城でこれだけは残念に思った。
 
 
 
 
「効果音的BGM」の過多。
 
 
 
 
特に宮崎さんの絵の場合、表現が豊かなので絵を観ただけで充分内容が伝わる。
 
なのに、そこに説明過剰な音響を入れてる。
 
シーンが切り替わったりするたびにそれを「説明」する。
 
映画館は音がいいから余計目だって気になる。
 
 
 
 
例えばずっこけシーンで付けられてる情けない音。
 
音が折角の絵の見事さに安っぽく出しゃばってかえって画面をうるさくさせてる。
 
冒頭のルパンと次元の走るシーン、
 
オートジャイロを奪う為に塔の階段を駆け上がるシーン、カゲの襲来など、
 
「いい」と思える選曲は沢山あるが、その中でもちょこちょこと短い音楽を挿入し
 
「効果音」がわりにつけまくるのは
 
 
 
 
 
「はい、ここは笑うとこですよ」
 
「はい、このタイミングで緊張してください」
 
 
 
 
と、いちいち指示されてるみたいで、さしでがましい印象。
 
これは「カリ城」だから、という意味でなく全ての作品全般にわたっての個人的趣向。
 
この作品は作画の出来がいいだけにそれを損なう要素は、特に勿体無く思う。
 
 
 
 
パイロットフィルム〔野沢那智・広川太一郎〕
 
 
 
聞き比べてみると広川さんの方が那智さんより男くさいルパンに見える。
 
那智さんはもう少しナンパというか、キャラが柔らかい感じ。
 
演出の違いとしては、より全体にコミカル感が強調されている。
 
 
 
 
 
 
 
コルト
 
「ああ・・・パイロットの不二子は本当いいよなあ」
 
 
 
 
たいやきさん
 
「コルトさんはどのキャラが一番好きなんですか」
 
 
 
 
コルト
 
「うーーん。全部。例えば私、マモーで一番好きなのはゴエなの。
 
ああ、ゴエかっこいい・・・ってゴエばかり観てる。旧でもそう」
 
 
 
 
たいやきさん
 
「へええ(意外そうな声)」
 
 
 
 
コルト
 
「でも原作では初期の不二子の大ファンで、不二子ばっかり愛してる。
 
でもアニメ観る時は一番最初にチェックするのは銭さん。銭が壊れてたら、どんな話でもそこでアウト。
 
パースリでは次元。新ルではルパン。
 
博愛主義かな(←節操ないともいう)たいやきさんは?」
 
 
 
 
たいやきさん
 
「ルパンと不二子が一緒にいるのが好きvv」
 
 
 
 
コルト
 
「やっぱり^^yusinさんは?」
 
 
 
 
yusinさん
「ルパンと次元が一緒にいるのが好きなんですよ」
 
 
 
 
コルト
 
「あのコンビネーションは最高ですよね。
 
だから私、テレスペ始まった時、実は新ルより嬉しかったんです。
 
新の次元ってルパンと一緒にいないでしょう。
 
いつも不二子に甘いルパンに呆れて出て行って、不二子もルパンに頼らないと何も出来なくて。
 
だからテレスペになって、ルパンと次元が一緒に行動してて、不二子が自力で泥棒してて、
 
やった、元に戻った!って嬉しかった。
 
・・・銭は壊れてたけど・・・(苦笑)」
 
 
さらば愛しきルパンよ〔新155話〕
 
 
 
この作品では宮崎さんは本当は緑ジャケット着せたかったんじゃないかと噂されてる。
 
 
 
 
「今までのルパンは全部偽者でした」
 
 
 
 
という話にしようとして、局の逆鱗に触れたということは、そういう演出だったとしてもおかしくない。
 
もしそうだったら、これ伝説の最終回になったと思う一方で、
 
今まで観てたルパンが全部偽者だとすると、それはそれで虚しいのも確か。
 
でも、そうだとしたら
 
 
 
 
「中には本物も混じってますよ。さあ、どれでしょう」
 
 
 
 
ということにして思い切ってやって欲しかった。
 
例えば「マイアミ銀行襲撃記念日」は本物だろう、とか、そういう楽しみ方も出来そう。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
昔読んだアニメ雑誌の記憶だが、
 
宮崎さんの最初の案では、最終回は銭湯を舞台に繰り広げるアクション物にしたかったらしい。
 
(「銭湯」と「戦闘」の洒落?)
 
どんなに暴れてても大事なトコは決して見えない、という演出で(笑)
 
 
 
 
私は新ルでの宮崎さん演出物は「アルバトロス」の方が楽しくて好きなのだが、
 
何にしても宮崎さんの描く銭は本当に安心して見られる。
 
バイクでかっとばす銭、あれもルパンの変装じゃなくて本物の銭だったらもっと嬉しかった。
 
 
 
 
yusinさん、地下から出てきたラムダに驚いた屋台のラーメンすすってる男性は
 
「ラーメン大好き小池さん」
 
ではないかといわれる。私は宮崎さんにも見えたのだけど真相は如何に。
 
偽次元の撃った車には大塚さんが乗ってます。
 
 
 
 
 
タイムマシンに気をつけろ!〔旧13話〕
 
 
 
館内、大笑いの連続。「人間描写」が面白い。
 
 
 
 
「修理費がかさむな」という魔毛の苦労。
 
あまりの冷静沈着さが逆に可笑しいゴエ。
 
泣くわ喚くわ、ルパン大好き次元のへタレっぷり
 
 
 
 
 
最後はまるでドリフの舞台セット崩壊シーン。
 
観てた3人、揃って満足の意見交換。
 
 
 
 
 
 
私はこの話は旧ルパンにおいて、丁度大隅さんと宮崎さんの演出の中間地点にあたると思ってる。
 
その二つの要素がバランスよく交じり合って中々乙だ。
 
 
 
 
よく「大隅派」「宮崎派」とか言われたりするけど、
 
私の場合、旧ルパンに関しては、この二つの要素を持ってるからこそ魅力が増してるのだと思ってる。
 
どちらが正解、ではない。
 
陽陰両面から観たことで、より立体的に「ルパン」が表現されたと思ってる。
 
 
 
 
 
 
 
第一、原作でも「初期」と「新冒険」は作風が違う。
 
原作と同時進行で再放送を観てた自分としては当時この路線変更はむしろ
 
 
「原作を忠実に再現してるなあ」
 
 
とさえ思ってた。
 
 
 
 
 
 
 
「ルパン」は視聴率低迷で路線変更を余儀なくされたが、
 
もしあのまま視聴率が好評だったらどうなってただろう。
 
もしかすると、いくとこまで、どんどんエスカレートして、
 
果てしなくアングラで暗い話ばかりになっていってたかもしれない。
 
新しい血を入れたことで、結果的には「ルパン」の捉え方に違う客観性や幅を持たせ、
 
シリーズを活性化させ、キャラがより多面的な深みを持てたのは事実だ。
 
 
 
 
 
 
だから私はこの路線変更は、魅力が「変わった」のではなく「付加された」と思ってる。
 
どちらの魅力も作品に常に内包されていているのだと思う。
 
 
 
 
ちなみに、この話の放送禁止用語もオリジナル再生でした。
 
 
 
 
 
ロシアより愛をこめて〔1992年度テレスペ〕
 
 
 
・・・観始めた途端、急に眠くなってきた。
 
今までポンポンポン・・・とテンポよくきてたの観てたから間延びしたたるみが余計にだるく感じる。
 
いかん、この話には伝説のル受けシーンのチェックポイントが2箇所あるんだ。
 
そこだけは眠れない・・・・(気分は「八甲田山」)
 
 
 
 
 
 
 
時間稼ぎだろうか、余計なエピソード多すぎる。
 
無理やり2時間枠にするために引き伸ばしてる感じ。図書館のシーン、私なら全部カットする。
 
 
 
 
本に埋もれて先進する銭。銭さんはもっと知的なんだってば;
 
 
 
 
女キャラにやたらミニスカートはかせたり裸にしたり触らせたり。
 
それで「色気サービス」のつもりだろうか。ファンの教養をなめてる感じ。
 
 
 
 
ラッキーは好きなキャラ。
 
上司に反感持ってたり、相棒を大事にしてたり人間味がある。パースリとかにも出てきそう。
 
しかし飯岡さんも言ってたが、出○さんって、本当ホモネタ好きだよなあ・・・。
 
でもご自身が好きでされてるのが判るせいか、下手に媚びた嫌味がないんで微笑ましい程度。
 
ル受け派なのが判るので、そこは好感。大画面で観る次ルに至福vv
 
布教になった。感謝してます(腐ってます)。
 
 
 
労働を惜しむ世相を批判するルパンの台詞。
 
「ナポレオン辞書」でもそうだったけど、こういう演出はちと説教くさくて鼻につく。
 
 
 
ゴエに「ポッ」とさせるのはカリ城の「可憐だ」が受けたから
それ繰り返せばゴエ受けファンが喜ぶと思ってるんだろうな。
 
 
 
最後の演出の滝涙は、明らかにお涙頂戴狙い。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
上映後。ウザい性質を自覚してるコルトはやはり口火を切らずにいられなかった。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
コルト
 
「無駄が多すぎ!!
 
(ル受けシーンは無駄ではないです・笑)
 
あれ、半分くらいの時間に出来る」
 
 
 
 
yusinさん
 
「・・・なんか、カリ城とかと続けてみると、
 
ルパンもこうなっちゃったんだなあって悲しくなっちゃいましたよ。
 
ルパンの声も急に老けちゃいましたね」
 
 
 
 
コルト
 
「山田さんはパースリの50代から少し声にしゃがれが入るようになってたんで、
 
急にという訳でもないんだけど、私もテレスペ聴いたときはさすがにルパンには老けたなあって思った。
 
雑誌にもそういう投書があって。あれでもし自分から
 
『もう自分はルパンは無理だ』
 
って降りたらカッコよかったかなとは正直思った。
 
でもね、ノストラダムスの予告編では山田さん突然声が若返るんですよ。
 
うわ、どうしたんだ急に昔に戻ったぞ。まだまだやれるじゃん、と思った矢先、逝っちゃって・・・。
 
思うと、あれが蝋燭の灯火が消える一瞬前の鮮やかさだったのかと・・・」
 
 
 
 
 
たいやきさん
 
「山田さんは確か、クリカンさんに後は頼むっていってたんですよね?」
 
 
 
 
 
コルト
 
「あれは誤謬でしょう。
 
山田さんは、自分が死んだらルパンはもう作らないで欲しい、一緒に墓に入りたいって言ってた位だし。
 
風魔の時でも、当然のキャスティング変更にカンカンに怒ってたし。
 
そういう方が、そんな事言うとは、とても思えない。山田さんって収録スタジオで
 
『疲れたから後はクリカンに任せろよ。どうせ同じなんだから』
 
と冗談で言ってたらしいから、多分それに尾ひれがついたとみるのが自然じゃないかと思う」
 
 
 
もともとキャスティングは声優が勝手に決められる物ではなく、制作側のオーディションで決められています。
 
 
 
 
 
 
ターゲットは555M〔新148話〕
 
 
 
5人がそれぞれの持ち場で活躍するのがいい。
 
ただ、銭のギャグ化だけは納得しない。特に冒頭の箱詰めは悲しい(T_T)
 
 
 
 
個人的に私はこの話で知りたいことがある。
 
次元の撃ってる銃の名前。
 
レミントンだろうか。でも弾箱はウィンチェスターらしいのだが。
 
 
 
更にアゲンストで555メートル離れた場所であれだけ弾を撃ち続けて照準のぶれない銃って、例えばカスタムしたとしてもありうるのだろうか。
 
リアルな考証を元にしすぎるのも野暮とは思うのですが、どうにも気になるので、参考までに詳しい人がいたら聞いてみたいです。
 
 
※後に、銃は「レミントンM40A1」ではないかと情報頂きました。
 
 
 
ツタンカーメン三千年の呪い〔新7話〕
 
 
 
私がリアルタイムで初めて観た新ルの放送作品。
 
最初、私はバリバリ硬派のルパンファンだったので、子供心に
 
「かっこいい」
 
と憧れてたルパンが、とことん情けなく狂ってるのを見て、凄くショックだった。
 
 
 
 
 
 
 
しかし、新ルで「不二子は裏切り者の女」というイメージが定着した後にポンと見ると、
 
不二子の純な懸命さに親しみを覚える。ただ砂にルパンの名を書いてたり、
 
「ルパン三世に!」
 
と見栄を切るところは、70年代アナクロなセンスで恥ずかしいのはあるけれど。
 
 
 
 
 
 
 
しかし私は不二子には人に頼らず、自分で仮面を返しに行って欲しかった。
 
次元とゴエにそれを見つかって
 
「本当に良かったのか」
 
ときかれ、
 
「何のことかしら」
 
と、とぼけて貰うとカッコよくて自分好みだなあ。
 
 
 
これが上映作品に選ばれたのは、多分アイキャッチの
 
 
 
「たたりじゃ」
 
 
 
というのを見たい、という人が多かったんじゃないかなと思います。
 
 
 
必殺鉄トカゲ見参〔新25話〕
 
 
 
原作をよく消化してるなと思う。
 
増山さんは歌が上手いんだけど、非常に真面目な正統派の歌い方をされるんで逆に作品中浮くなあ。
 
もっと鼻歌交じりにけだるく崩して歌ってくれると下着一枚の不二子には似合うのではないかと。
 
水中からあがったルパン達の服が重くならないのは特性の生地を使ってるから・・・ということにして。
 
最後のシーンは、ルパン達は着てる服を全部捨ててきた訳だから、裸のままでいて欲しかったです。
 
 
 
 
 
 
 
でも、とにかくこういう
 
 
「走りまくる、逃げまくる」
 
 
というのは画面が常に脈打っててダイナミックでいいですな。
 
 
 
 
 
 
アクションだけと思わせつつ、
 
逃げながら、頭脳の攻防戦が絡んでるのがこの話のミソです。
 
 
 
 
 
荒っぽさと緻密さの闘いが同時進行で進んでいく。
 
刑務署長のサディスティックさが、より鉄トカゲの存在感を生々しくみせてます。
 
 
 
 
 
 
 
 
劇場内のカーテンが静かに閉じてゆく。
 
 
 
 
 
 
・・・終わった・・・何もかも。
 
 
 
 
 
 
館内から外へ出ると、窓から差し込む明かりが既にロビーの突き当りにまで満ちていた。
 
撮り忘れたポスターがないか、最終チェック。
 
勿論、このままで終わる訳はない。
 
うーーむ・・・寝てないと人間、テンションが変に高くなるらしい・・・。
 
 
 
 
 
ということで、このままオフに突入です。
 
 
 
 
 
 
 
オフ会の様子はこちらから〔壊れ気味〕
 
 
 
 
会場の様子の写真〔アルバム〕は、この後お伝えします。
 
 
 

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