■文字掲示板より転載■
プチ声優裏話<３> 声優の人柄
2005/10/5(水) 4:03
「焼きたてジャぱん」を又観ました。
コナン君が出てたから(笑)
前回の「ルパン３号」の時はそっくりさんキャラすら出なかったのに、コテコテ＾＾；
ちょっと内輪受け狙いすぎて
｢同人誌みたい」
とも思ったけど、どうせやるなら脚本も、とことん壊れるほどやって欲しかったと思ったりして。
最近のアニメは対決物が多すぎて食傷気味であんまり興味ないんですが
(漫画っぽい説明効果音が苦手というのもある)
このアニメは作品自体はどうでもいいのだけど、つい観始めると観つづけてしまう。理由はひとつ。
関智一さん
上手い。面白い。
おじさん声優好きなコルトだけど、彼の演技は感嘆に値します。
甲高い高音でも､全然耳障りな声じゃなく、巧みにセーブされててしかも緩急が絶妙。
上級者のバイオリニストの
音色を聞いてるみたいだ。
シリアスな芝居もちゃんと出来る。
昨日のこの番組は、昨今には珍しくベタな人間ドラマが中心で久しぶりにアニメ見て泣いてしまった。
それも、関さんの演技力があってからこそじゃないか、と思ったりしています。
関さんが売れてるのはやはり上手いというのが第一番でしょうけど、声優の世界はただ上手いだけでは残っていけないそうです。
何が生き残りを左右するかというと
「人柄」。
◇
ボスは劇団四季の出身です。
劇団というのはチームワークが重要な為に、ボスは謙虚さというのをとても大事にします。舞台というのは皆でつくりあげていくもの。吹き替えも同じです。
録音スタジオは俗に金魚鉢と呼ばれる窓があって、そこから声優さんの姿を観て指示を出しますが、監視されてるみたいで嫌がる人も多く、わざと死角に座ったりするベテランもいるらしい
(ふつうレギュラーやベテランは真中に座ります)
ところがスタジオによっては、監視カメラみたいなもので、見えない部分を映して見えるようになってる所もあるらしいのです。
そういうとこで、自分は見られてないと思って横柄な態度を取ってるとそれはちゃんとスタッフに見られてるというわけです。
吹き替えにはガヤといって、来てる声優さん全員で声をガヤガヤとモブシーンに当てる仕事があり、台本には
「皆さんで､よろしくお願いします」
などと書かれています。だからそこは全員が協力し合っていいガヤを当てるのです。ガヤは意外と難しいんです。全部アドリブですから、つい言葉が尽きたり独り言になってしまったりする。
ところで、洋画でもアニメでも活躍してた某有名なベテラン男性声優はこのガヤに一切参加しません。
「俺にそんな下っ端の仕事をやらせるな」
という訳です。
これらはカメラ、あるいはディレクターの目耳を通して上部に伝えられます。
すると、そういう輪を乱す人は使いたがりません。
彼は今自分で劇団を持って､自分でアニメを作って自分で声をあてて、自分の劇団の子たちを使ってるようですが、外から来る仕事は少なくなっています。
私も一時期その方の劇団に入ろうかと思ったこともありましたが
(家が近かったのです)
ホームページでも資料でも、自分のことしか書いてないのがワンマンそうな気がしたのでやめときました。
また、違う男性声優は自分の事を天才だと思い込んでいて、名刺にも
「声の魔術師」
と刷って周りを白けさせていたそうですが､その方も次第に仕事がなくなり、自分で劇団を立ち上げたのですが人がいつかない。
彼は今でもそれを周りが自分の才能を認めないからだ、といってるがそれは自分の事しか見えてない態度に原因があるというのに気づいていないからだ、とボスは言います。
ちなみに「ボス」というのは周りが勝手に陰で愛称として呼んでるネーミング。謙虚だからこういう逆のジョークも平気で使えるのです。
私がいわゆるル攻めにありがちな、俺様で他人の事などおかまいなしオンリーのルパンをちーーともかっこいいと感じないのは、リアルにそういうのを小さい頃から見慣れてて、正体が判ってるからです。
己の気が小さくて器量が狭いのを威嚇でカバーしてるだけだから。
原作不二子くらい悪魔的狂気が入ってれば話は別だけど。
よくみればルパンは
「ありがと」「さすが」「頼りになる男」
と相棒への感謝・賞賛・相手を立てることを決して忘れてない。
だから仲間にも、たまの俺様風も我侭も人間らしさとして愛嬌で許されるんじゃないかなあ。
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声優の人柄
